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日本の特異な休暇と、うまく付き合うために

いよいよ、お盆である。8月11日は山の日であるが、土曜に被っているために祝日が機能せず、会社に向かわなければならない人が多いだろう。

そもそもお盆とはなんなのか、この機会に調べてみる。

仏教では、お釈迦様のお弟子様である目連様の母親が餓鬼道に落ちた時、
お釈迦様の教えに従って多くの高僧たちに供養し、
母を救ったことからはじめられたもので、
仏様や先祖の恩に感謝し、お墓参りや迎え火などをする行事。

現在では、お盆の期間は13日から16日までのところが多い。

引用: http://www.ishinoya.co.jp/s/first/france/post_54.html

仏教由来の、ご先祖さまに感謝するイベントとのこと。この4日間は実家に帰省し、親類の人たちと酒を飲むのでありますな。

これは至極当たり前で、ずっと昔からこの慣習があったのだろう。だが、僕は疑問を持つ。

疑問 : 8月13日から8月16日じゃないといけないのか

そう。この期間は1年の中で最も人が動き、公共交通機関に最も負荷がかかる時期の一つである。新幹線は混むし、高速道路は渋滞である。

誰もが体験したくないと思いつつ、それを回避しようとしない。なのに文句は物申すという不思議な民族が日本人である。

なぜ新幹線が混むのか

先のお盆の例が顕著ではあるが、本当に混む。この例を経済学的に紐解いていく。

新幹線に乗りたい人が需要。新幹線に乗ることが出来るキャパ(新幹線の本数や乗車可能な空間面積)が供給

普段はサラリーマンか暇人しか乗らないので、需要と供給のバランスが取れている。

ところがお盆などの繁忙期になると、サラリーマンや暇人以外に、その家族も芋づる式に乗車客として加わる。需要が増えるのだ。だが、新幹線の供給が追い付かずに需要過多となり、激混みする。

そう。お盆特需の際、快適に乗客が過ごせるようには設計されていないのかもしれない。

じゃあ、新幹線のキャパを増やせば問題が解決するのだろうか。この問題の根本の原因は何か考えてみる。

自由度と柔軟性の欠如がもたらす日本の就業環境について

仮に新幹線のキャパを増やすとする。新幹線の混雑は回避できるが、高速道路の渋滞はそのままだ。ましてや、お盆期間中の飲食店は猫の手も借りたい程忙しいに違いない。

つまり、本質的な混雑の解決にはなっていない。なぜなら、世の中全体で動く人の数が多いまま変わっていないからだ。新幹線一つをどうにかしたところで、ほかのサービスの供給が需要を支えられなければ、本質的な解決にはならない。

その原因は、休日やイベントが予め決められすぎている点にあると僕は考える。

日本は世界有数の祝日が多い国

祝日が多くて、有給休暇が取得しづらい国。それが、我が国の特徴だ。これが意味することはみんな同じ時に休んで、みんな同じ時に働くことになる。そしてその沼から抜け出すことは難しい。

本来、有給休暇は本人の裁量で好きなときに休むことができるはずだ。しかし、多くの日本人が仕事に没頭し、有給休暇を取得できず、祝日に依存してしまっている事実は見逃せない。

皆が選択するわけでもなく休む、普通の休日の土日や祝日にウェイトが傾いているため、渋滞や混雑が起きるのだ。あなたの周りの友人も月曜から金曜日まで働き、土日に休む人が多いのではないだろうか。

この層が過多なことと、休日の柔軟性がないことが大きな問題の所在だと考える。

逆に言えば、土日に働き、平日に休む人のほうが休日の効用が高い。土日に比べて人が少ないから、買い物に行くにしても、遊びに行くにしても快適だ。しかしこの層の人たちも同じように、土日が忙しいことが目に見えているため、土日に休むことが憚られることは言うまでもない。

とにかく、休日に関する自由が少ないのだ。

文化を蹴っ飛ばす覚悟があれば、違う景色を見ることができる

じゃあ、自由を手にするにはどうすればいいのか。それはいろんな方法があるし今回は語れないが、現実的にゆとりある時間を手にする方法はある。

例えば、お盆休みを1週間ずらすとどうなるだろう。精神論で血縁者から叩かれたり、親戚の人にお酌することはできないかもしれない。でも、人の動きが落ち着いた中でお墓参りをすることができる。

全く同じことを同じようにするだけなのに、気楽さが全然違う。1週間遅れでお墓参りに来る人なんて一握りだろうから、去年よりも集中してご先祖様と向き合うことができるだろう。

もし、お盆の時期に働くことができる仕事であれば、人が少ない職場で黙々と仕事をこなすことができる。
そして、みんなが仕事をしている間は優雅に遊ぶことだってできる。旅行に行くにしても繁忙期を超えているから、間違いなく費用は抑えられる。

できないことに嘆くんじゃなくて、できることを探そう。

レダ

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レダ