システム開発の現場は、様々である。
扱うクライアントによっても、業界によっても様々な開発手法が取られている。
もちろん、開発に使うマシンのバージョンもサポートが切れていることもありうるだろう。
僕が経験したことある開発手法はウォーターフォール・モデルというものだ。
プロジェクトによって工程の定義に差はあるが、開発プロジェクトを時系列に、作業工程をトップダウンで分割する。ガントチャートを使用してこれらの工程を一度で終わらせる計画を立て進捗管理をする。原則として前工程が完了しないと次工程に進まない事で、前工程の成果物の品質を確保し、前工程への後戻りを最小限にする開発手法。
引用:ウィキペディア
他にも様々な開発手法が存在するのだが、恋愛工学がナウい開発手法を取られていることに気づいた。
勉強も兼ねて、現代の開発手法と恋愛工学の開発手法について考える。
アジャイル開発
ウォーターフォールの特徴として、完成品を予め機微に設計した上で開発をし、プロダクトを完成させることが挙げられる。
ゲームを例に挙げると、旧プレイステーションや、Nindendo 64などの買い切り型のゲーム開発である。
ストーリーに出てくる敵のラインナップやダンジョンのマップなど、すべてを事前に決めておいて制作をする。
もちろん、アップデートはない。
具体的には、受託開発で使われることが多い。
クライアントと仕様策定をし、画面設計・詳細設計を経て開発に取り掛かる。
対に位置する開発手法がアジャイル開発というものだ。
アジャイルソフトウェア開発手法の多くは、イテレーション(反復)と呼ばれる短い期間単位を採用することで、リスクを最小化しようとしている。
アジャイル開発手法においては、開発対象を多数の小さな機能に分割し、1つのイテレーションで1つの機能を開発する。そして、この反復のサイクルを継続して行うことで、1つずつ機能を追加的に開発してゆくのである。
アジャイル開発手法では、各反復が終了するごとに、機能追加された新しいソフトウェアをリリースすることを目指す。
これは必要最低限のプロダクトを市場にリリースした後に、順次追加機能を開発し、リリースしていく開発手法である。
ゲームを例に挙げると、スマートフォンなどの継続課金型のゲームや、マッチングアプリなどが挙げられる。
具体的には、自社サービスの開発で行われることが多い。
このアジャイル開発の開発手法が、恋愛工学のアップデートととても似ている事に気がついた。
恋愛工学と、アジャイル開発について
恋愛工学はまず、藤沢数希所長がはじめに提唱されて世の中にリリースされた。
それから、隔週に渡って少しずつ恋愛工学の要素がメールマガジンに乗って世間に届けられる。
恋愛工学のオーナーであり、かつて論文をゴリゴリ書くような科学者であった藤沢所長ならば、はじめから長文の論文を寄稿することは難しいことではなかったはずである。
ではなぜ、毎週小出しにするようになったのだろうか。
その理由の一つが、恋愛工学はオープンソースなコンテンツであることが考えられる。
オープンソースなコンテンツ
厳密に言うと、恋愛工学が育まれている『週刊金融日記』は有料であり、誰でも自分の論文を寄稿できるわけではない。
だが、逆に自分がメールマガジンを購読してしまえば恋愛工学のアップデートに参加する権利を得ることが出来る。
僕も過去に2回、論文を投稿したことがある。
ソフトウェア開発の中でオープンソースであることのメリットは、コミュニティ参加者が一機能を開発・改修出来るところである。
図で説明すると以下の通り。
これはGitHubという、サービスの開発ルールの一つである。
まず、MASTERという本流が存在する。
ADD-NAVIGATIONやFEATURE-Xなどの追加機能や機能改修を順次MASTERに取り込み、プロダクトを完成に近づけていくというものだ。
これを恋愛工学に準えると、MASTERが藤沢所長が提唱した『恋愛工学』。
ADD-NAVIGATIONはサウザー先生が提唱された『奥義・サウザーシフト』。
FEATURE-Xはゴッホさんが提唱された『LINEコミュニケーションのパッシブ運用ガイドライン』となる。
僕の寄稿論文は大したことがなかったが、レジェンド工学生の方々は著名な論文を寄稿し、恋愛工学の本流であるMASTERにマージされることとなった。
この開発手法のメリットは、サービスを享受している人たちがそのサービスの開発に携わることが出来る点である。
より良いサービスの発展と進展に寄与することが、開発者のモチベーションとなるため、より良いプロダクトが出来上がる。
今でこそコミュニティ・ビジネスが流行っているが、僕個人はこのオープンソースな開発手法がコミュニティ・ビジネスの根底を支える技術だと考えている。
藤沢所長が参加者のモチベーションをも考え、恋愛工学を設計したのであれば、僕は本当に頭が上がらない。