コリドー街。
女子とのワンナイトを狙う男とハイスペックサラリーマンを狙う女。
その両者の欲望が酒に絡んで渦巻く場所。
友人と共に、心の綺麗な女子を求めて繰り歩いた、コリドーナンパの記録を此処に記す。
語源は明示されていないが、おそらく英語のcorridorが妥当だと思われる。
corridor
(ホテル・アパート・ビルなどでいくつもの部屋の出入り口をもっている)廊下、通廊、回廊地帯。
引用:weblio 英和辞典
そんなコリドー街は、有楽町から新橋まで伸びている細長い道を指す。
車一台分が通ることができる一車線の車道を2本の歩道で挟んでおり、その歩道の脇は軒並み飲食店だ。
高架下にも飲食店が並んでいることもあり、回廊のように見え無いこともない。
所謂ナンパの聖地と名付けられており、男と女で賑やかな通りである。
最も盛り上がる曜日は金曜日。
仕事終わりのサラリーマンと、OLがメインプレーヤーだ。
男は一丁前のスーツを羽織り、会社の名刺を片手に踵を返す。
女は声を掛けてくる男を1瞬で分別し、ハイスペックを探し当てる。
そんなゲームが繰り広げられている。
コリドーナンパをガッツリやるためには、会社の名刺と仕事終わりの身だしなみが必須である。
だが僕はエンジニアだ。
スーツなど身に着ける理由がないため、私服での参戦となる。
もちろん、Tシャツスキニーだ。
おまけに、金曜日はスーツを着たハイスペリーマンがメタゲームのペルソナとなり得るため、僕たちは金曜日を避けた休日に赴いた。
具体的な立ち回りとしては以下の通り。
声掛け
↓↓↓
連れ出し打診
↓↓↓
連絡先交換
↓↓↓
放流
(これは繰り返す)
僕たちは即を求めているわけではない。
心のきれいな女性がいるかどうかを調べに来た。
その結果、感想は以下の通り。
僕たちは2時間程度しか声掛けをしていないが、十分な結果が得られた。
もう二度と来ることはやめよう。
友人と全くの同意見だった。
僕たちが驚いたこととしては、会計を払おうとしない態度が見え見えなところである。
声掛け早々、連れ出した1組目の女子たちは、男性側が集金するのを待っていた。
僕たちが財布からいくら出すのかを凝視し、テーブル分の金額に合算されないことを悟ったのか、渋々財布からカネを差し出す。
心の奥では、絶対払いたくなさそうであった。
連絡先は交換したが、何だが微妙な感じであった。
そして2組目。
2組目の彼女たちは、驚きすぎて理解に苦しんだ。
会計の空気になった瞬間に立ち上がり、「またね~」と席を後にした。
眼の前で起きていることを、僕は受け入れることができなかった。
今まで女修行をしてきて、女に酒を奢ることはいくらでもあったし、食い逃げされることはたくさんあった。
だが、ここまで男がカネを出して当たり前の態度を感じたことは初めてである。
どんな教育を受けたら、自分の飲食代を踏み倒す事ができるのか。
正直、食い逃げすること前提の彼女たちを心が綺麗だとは形容したくない。
上記の僕たちの活動時間は、それほど長くなかった。
だから、実は心の綺麗な女性がコリドー街に居たのかもしれない。
時間の都合上、このような結果になってしまったことは少し残念ではある。
そして番号はゲットできたが、再会することのワクワク感が全く湧いてこない。
これは、申し訳ない気持ちでいっぱいである。
僕たちは、コリドー街で彼女たちと出会った。
そして、わかったことが一つある。
少なくとも僕は、コリドー街に似つかわしい男性像ではないということだ。
しかし、自分たちがプレイすべきホームを改めて考えるいいきっかけになったことは事実である。
確かに、休日でもネクタイを締めてバシッとスーツを決め、会社の名刺を翳してコリドー街を凱旋しているサラリーマンがいた。
彼らは僕たちよりも輝いていたし、とてもこの街に溶け込んでいるように見えた。
少なくとも今の僕は、この街に向いていない。
よっぽどクラブやカフェのほうが向いていると感じた。
連絡先を聞いた彼女たちは、友人に委ねて、自分らしく女修行に打ち込むとする。
今更ながら、女修行は簡単じゃないなと思わされた日であった。
最近女修行をあまりしていなかったせいか、女性の洗礼を浴びた一日でありました。
でも、コリドー街にはもう二度と行かない。
明日も更新するから、待っててちょ。
Adios.