一人のいい男にとって、たった一人の女性を幸せにすることは難しい。
「みんなちがって、みんないい」
ではないが、一人一人の女性が素晴らしければ、人として幸せにしたくなる気持ちは当然である。
女性はその事実を遺伝子レベルで知っており、男に様々な試練を課す。
門前払いのクソテストではなく、定期的な中間試験のようなものだ。
関係を持った男が本当にいい男かどうか、女性がチェックするためである。
僕自身に降り掛かった試練の備忘録をここに残す。
いまと、そしてこれからのために。
女性は心を赦した男性に対して、女としての弱さを見せる時がある。
その事実は、目の前の女性から男として選ばれている紛れもない事実だと考えられる。
オスとして、それは喜ぶべきことである。
それと同時に、僕たち男は女性から試練を与えられている。
女性の要求を鵜呑みにするという答えもひとつだ。
どんな答えであれその人の自由である。
だが恋愛工学の徒である以上は、そのフレームから外れる行いはテストケースとしてNGだと学んでいるからこそ、間違ってはいけない。
ちょうど僕も、アポ中にその場面に出会った。
既存の女性は視線を下に逸らせ、細った声で「寂しい」「不安」の声を募らせる。
💁♂️「寂しかったらいつでもタクシー捕まえて飛んでいくし、電話にも出るし、呼んでくれて大丈夫だよ!」
と、以前の僕なら理屈ありきで語っていたと思う。
ぶっちゃけ、非モテな自分が「このセリフを言え。きっと彼女もこの言葉を待っている」と、悪魔の囁きをしてくる。
僕の感情はさておき、彼女が求めている本当のモノは何なのかを冷静に考える。
彼女の心の奥底は覗けないが、彼女の口から弱音が溢れたという事実から垣間見得るものはある。
寂しいと感じていることはおそらく間違いない。
じゃあ、その寂しさを埋めるために必要なものは何か?
言葉か?ロジックか?
それは男が欲しがるものだ。
目の前でモジモジしているのは、男の僕じゃなくて女だ。
やることが決まった僕は、食べかけの食事を切り上げ、店をあとにした。
そして人気のない路地で彼女をそっと抱きしめる。
「泣きたい時は泣けばいいんだよ。」
と一言添えて。
どれくらい時間が経っただろうか。
彼女の笑顔が戻るまで、抱擁と接吻を繰り返す。
彼女が求めていたものは紛れもなく、言葉や、ロジックでは無い。
信頼に足る男との非言語コミュニケーションだと僕は考えた。
ぶっちゃけ、こんな修羅場というか試練は経験がない上、戸惑った自分がいた。
ただ、いつも所長から仰せつかっているあの言葉を信じた。
「周りの雑音に惑わされず、粛々と自分たちの恋愛工学をやっていくだけです。」
そして、僕は彼女の目を見て心の中でつぶやいた。
「悪いけど僕はお前を幸せにできないような、弱い男じゃないんだよ。心配なんかすんじゃねえよ。」
と。
アイコンタクトでそれを伝える。
それが正しいかどうかはわからないが、暗に彼女に伝わるように言葉ではなく目で訴えた。
後悔はなく、彼女の顔には笑みが戻った。
この記事を書いているとき、僕の感情は描き乱れていた。
今日も目の前の女の子に男として見てもらえた嬉しさや、恋愛してる甘酸っぱさを感じることができたからだ。
反対に、一歩間違えば彼女を失うというリスクをひしひしと感じる。
この感覚は最高にたまらないし、恋愛の醍醐味だなと思う。
こういう感情が渦巻く時こそ、僕たちは女性に立ち向かうべきだろう。
ハグとキスの後のセックスは言うまでもなく必要である。
だが、彼女たちと対面で向き合わないときにもできることはある。
一つは筋トレである。
渦巻いた感情をバネに、いつもより少し重いウェイトのベンチプレスを上げる。
そして、より女性から求められる男に近づくために女修行をする。
このアポの次の日はどうしてもナンパをしたかった。
絶対に女修行をしなければならないと危機感を抱いた。
結局僕たちにできることは限られていて、筋トレをして精神と肉体を鍛え上げ、生身の女性と実践を繰り返すこと。
刃物を研いで切れ味を良くするように、切磋琢磨するしか、彼女の期待に答える方法はない。
それも、言葉ではなく振る舞いやオーラで伝えるしかない。
ダラダラ長々と書いてしまったが、長期の関係を持つ女性とのお作法がわからなかったがゆえに取り乱してしまった。
しかし毎週配信される『週刊金融日記』や、先輩工学生方の有益なツイートの数々をインプットしていた結果、自分でも納得の行く振る舞いができた。
同じ経験を繰り返さぬためにも、この体験は忘れないようにしよう。
明日も更新するから、待っててちょ。
Adios.