社会人の読みものとして著名すぎる一冊。
サウザーラジオをはじめ、ご自身で事業を回されている方であれば読んでいない人は居ないと言っても過言ではない書籍の一つである。
資本主義のラットレースに巻きこまれないための、カネに対する知見を得るための教科書である。
ラットレースとは、著者であるロバート・キヨサキ氏が本書の中で定義した言葉の一つである。
どれだけ働いても、一向に現金や不動産などの資産が貯まらない状態のこと。
いつまで経ってもカネのために働き続ける様子を、回し車の中で半永久的に回っているハムスターに喩えた皮肉。
実は、当書を読み込むのは2回目である。
初めて読んだときは、若かりし大学生の頃。
ネットワークビジネスに精を出していた若造に、MLMビジネスと一緒に紹介された本。
この本を読んで、尚更カネを求めてしまった自分が懐かしい。
あれから幾年か経ったが、サウザーラジオで要約を掻い摘んで聞いているうちに、もう一度読み返したいと思った次第だ。
こういう読者におすすめ
- どんなことに気をつけて、カネを使えばいいかわからない人
- カネのため方がわからない人
- 勤め人と事業家の違いを知りたい人
全体の所感
270ページ程度に綴じられた本。
イラストは一枚も掲載されていないが、代わりに貸借対照表(Balance Sheet)と損益計算書(Profit and Loss statement)の図が挿されている。
当書を読み進める上で、会計の簿記の知識があるとより理解が深まる。
逆に、資産や負債の会計学上の概念が解り兼ねるようであれば、読み進めながら簿記の学習もするといいかもしれない。
まあ、カネの問題を解決しようと思うのであれば、簿記の知識はあった方がいいと強く思う。
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それでは、カネを増やす話。
カネを増やすために必要なこと
カネを増やすためには、働いて稼がなければならない。
この「神話」を覆すことを目的として、ロバート氏は当書は上梓された。
じゃあ、アルバイトや雇われで働く以外にどのようにカネを手にすればいいのか。
カネを増やすためにカネを使えばいいのだ。
例えば、企業の不動産を購入すること。
大金を叩いてマンションを購入するとしようか。
手元からかなりのカネが飛んでいくだろう。
だがマンションに住居者が居る限り家賃収入として、カネが継続的に入ってくる。
加えて、マンションを自分が買ったときよりも高値で買いたいという人が現れたら売る。
そうすれば、自分が働かずに利益を上げることができる。
要は、自分が働かずにカネが働いてくれる仕組みを買うことが大切である。
カネを守るために必要なこと
結論から申し上げると、法人にカネを隠せとのことである。
理由は、税金が多く毟り取られるから。
ここは、貸借対照表と損益計算書の関係がわからないと難しいかもしれない。
僕たち一般的な勤め人は考えもしないかもしれないが、法人があるかないかで資産の減り方が全く異なる。
サウザー先生の言葉をお借りすると、勤め人の給与はあらゆる税金が引かれたあとの綺麗なカネであるとのこと。
この綺麗なカネから、なるべく費用を減らさないように工夫することができるというのだ。
例えば、飲み会で領収書を切る人を見たことがないだろうか。
あの領収書こそ、経費に計上するための大切な書類なのだ。
本来であれば、飲み会は食費として自分個人の財布から出ていくのだが、法人を持っていると必要経費として計上することができる。
つまり、税金が引かれる前の費用として充てることができるのである。
このように、個人の損失として出ていくはずの費用が、法人恩経費として計上することでカネの流れを少しだけ変える。
そして、利益を圧縮することで引かれる税金を減らすことができるのだ。
上手くカネと向き合っていくために
自分のビジネスを持つ上で、ロバートはファイナンシャルインテリジェンスを構成する3つの力が必要だと説いた。
①会計力
財務諸表に目を通し、金の流れを細かく読み解く力。カネは数字である。
小さい数字が何を意味し、大きい数字が何を意味するのかを読解するスキルが求められる。
もちろん、専門的な分析も必要かもしれないが、まずは簿記3級程度。
②投資力
お金がお金を作る科学に基づいて、小さな勇気を振り絞りカネと時間を投げられる力。
③市場の理解力
どれだけ自分が売れると思っていても、実際に売れるものかどうかはすべてが市場が判断する。
需要と供給の概念を理解し、人々の行動をある程度予測できる経済的なセンス
ぶっちゃけ、この本のエッセンスとして大切なこととしては2点だと思う。
1つ目は、勤め人をしていてはいつまで経っても経済的に幸せになれないこと。
2つ目は、法人を持つと金の流れを変えることが出来るということ。
この本を読んで僕は、より一層会社に依存しないような生き方をするために、自分のリソースを割こうと思った次第である。
この本と出会えてよかった。
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