新卒の採用活動が切迫している。
相変わらず、採用余力はある企業が多いのだが、学生を採用するということは一筋縄では行かないようである。
優秀な学生であれば、VIP待遇受け放題の特異点に立つことができる。
飯を奢って貰えるのは当たり前で、交通費支給を利用して金を稼ぐ学生もいるようだ。
内定は様々な企業から頂き、選択肢が多岐にわたる。
だが、学生と勤め人は立場が全く異なる。
社会人になってしまえば、かつてどれだけ優秀な学生だったとしても、ヒエラルキーの企業組織の中の最下層である。
そして、業界によっても醸成された文化や空気感が異なり、下剋上できるかどうかの可能性も大きく変わってくる。
僕が感じた、かたい業界について語る。
今僕はゆるい業界に身を置いているが、かつてはかたい業界でヒーヒー言っていた。
具体的には製造業の現場で実際にあった話。
まず堅い業界の定義。
昭和以前から存在する業種で、参入障壁が高く独立することが限りなく難しい業界。
生産設備や技術の洗練など、莫大な初期投資を要し、参入障壁が高すぎる界隈は存在する。
かたい業界あるあるを紹介する。
かたい業界の人たちの特徴は、「座して死を待つ」。
家の中でしか歩いたことのない赤ん坊のように、外の業界を知らない勤め人が多すぎる。
当たり前だ。それで飢えずに食べて生きているのだから。
言われていることを言われた通りやっていれば、首を切られることはない。
当たり前のことを当たり前にできていれば、昇進することもできるだろう。
何か新しいことを提案しようにも、「提案してもしょうがないだろ」という空気感が漂っている。
口で言うことは簡単だが、新卒の若造一人で何十年も積み重ねられた負の空気を覆すことはものすごく難しい。
そうやって生きてきた人達の価値観の押しつけがすごい。
彼らは彼らで今までのやり方で仕事を回してきた実績と経験がある。
その想いを踏みにじられる事を本当に嫌う。
加えて、新しい空気を取り入れるような人材は現場のトップにはなかなかいことが現実だった。
おっさん達はそれで人生を逃げ切ろうとしているから悲惨である。
赤の他人である若者に、おっさんの押し付けるのはやめろ。
現場の中の組織が小さいため、あらゆる情報がすぐに蔓延する。
というのも、現場の仕事はマクドナルドのアルバイトのようなルーティンワーク(マックジョブ)である場合が多い。
つまり、暇だからみんな他人事に興味津々なのだ。
マックジョブの唯一の楽しみといえば、生産性向上のアイデアを考え、実践していくことである。
しかし先述したとおり、新しい挑戦について後ろ向きな人が多いことから、手先は忙しく思考回路は至極暇な日々が続くのである。
僕の同期は現場にきて、じつは現場志望ではないという旨をぽろりとこぼしてしまったそうだ。
自分の理想のキャリアのために、現場で日々鍛錬を積んでいると先輩に話したその次の日から、彼は村八分の餌食となった。
僕は、同期としてではなく人として、彼の目標に対する意識には共感していた。
だからこそ、彼が村八分の被害に遭う意味がわからなかった。
本来、組織とは様々な価値観の人が集まって目標に向かって協力するためにあるものだと思っていたが、この現場はそうではなかったらしい。
こんな中学生みたいなしょぼいことで、暇つぶしをしている人と仕事している自分に少し腹が立った。
このレベルの人達と僕はしているのか、と。
兎にも角にも、価値観を強いられ集団行動を余儀なくされるこの会社を退職することにはなるのだが、この業界に向いている人も居る。
それは、自分のやりたいことが特になく、変化を好まない人である。
僕はたまたま、この業界の昔から続く文化についていくことは難しかっただけであって、フィットする人は少なからず居るはずだ。
そのポテンシャルを知っているのは、他の誰でもない自分だけである。
就職する際には、今一度自分がかたい業界で生きているイメージを持つことが大切だろう。
今、かたい業界で胡座をかいている人たちは間違いなく変化を好まない人が過半数を占めている。
自分自身も、変化を好まないのであれば村八分の餌食にされることはない。
かたい業界を志している人がいるとするならば、一旦立ち止まって自分がどっちのタイプの人間なのか考えたほうが良いだろう。
特に新卒の求職者は特に、目先の年収や福利厚生、ネームバリューや残業時間などの条件を加味して就職先を選んでしまう傾向がある。
仮にその結果、かたい業界に入ってしまったとしても人生は終わらない。
一度立ち止まって、本当に自分に合っているかどうか考えることができれば問題なく自分らしい人生を歩むことが出来る。
明日も更新するから、待っててちょ。
Adios.