先日、学生時代の先輩と食事に同席した。
片方は地方の国家公務員。
もう片方は外資系企業のサラリーマン。
そして弱小企業勤務の僕。
この異様な三つ巴が揃うことは学生以来である。
久々に会った2人の先輩との歓談のなかで、そこが見えない溝を垣間見た。
職業と組織に染まった、相反する先輩との再会を語る。
どうやって出会ったのか、あんまり覚えてない。
覚えているのは授業をサボってゲームをしていたことだ。
僕は「先輩方に勝たないと授業にもいけないし、帰ることすらできない」という馬鹿な遊びに付き合わされていた。
だがその御蔭で先輩たちとの距離は近くなり、親交を深めることができた。
コンビニでたくさんのものを奢ってもらったし、なんだかんだ先輩が求める大学生の後輩としての役目は果たせていたのかなと思う。
あれから何年も経過した。
4,5年ぶりの先輩方との再会である。
片方の先輩は地元の国家公務員になった。
家庭の事情もあって県外に行くことを赦されず、本人もその生き方を望んでいたとのことだ。
ヌルい大学の講義の単位を軽々と取得し、皆が就職活動をしている間にこの先輩は試験勉強をしていた。
国家公務員試験には2種類の試験区分が存在する。
一つは、筆記試験。もう一つは、個別面接による人物試験だ。
ざっくりな印象だと、お勉強が出来るかどうかを筆記試験で検証して、人間としてヤバいやつかどうかを2時試験で判定しているようだ。
つまるところ、上記の条件に当てはまりさえすれば国家公務員に任命される可能性はあるのだ。
話が逸れた。
簡単に言うと、この先輩は以下の特徴を持つ。
今この先輩は、最低限の仕事を全うしてあらゆる時間をゲームに注いでいるようだ。
もともとこの先輩は自頭がよく、大学の講義に出席しなくとも単位を粛々と取得するタイプの先輩だった。
だからいつも僕に意地悪をしてゲームに誘ったり、飲みに連れて行ってくれた。
そしてバイトが全然続かないこの先輩も社会人になった。
じつはこの先輩、社会人1年目の間もない頃に転職をしている。
僕も社会人1年めのときに転職をしたことがあるのだが、転職のロールモデルはまさにこの先輩である。
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今この先輩は、激務高給な外資系企業に勤め、脳内で汗水を垂らしながら働いているそうだ。
配属されるプロジェクトにもよるが、時には何日も家に帰れないような時期もあるのだそうだ。
それほどまでに、仕事にコミットするような先輩である。
久々の再会を期に酒を酌み交わし、お互いの近状と昔話に華を咲かせた。
しかし、この飲み会のどこかに気色悪い違和感がある。
以前のように、大学時代のトピックはとてもバラエティに富んだ話題が飛び交う。
言うまでもなく、僕がゲームで先輩たちに苛められていた話はもちろん、僕や先輩方の共通の同級生の話で盛り上がる。
だが、ある2つの話題だけは絶対的な違和感があった。
一つは、恋愛の話。
どちらかというと、この3人に共通していたことの一つとして女気がないということであった。
外資系企業に勤める先輩は、職業の立場もあってか現在は彼女と同棲している。
そして僕は女修行の真っ最中である。
さて。国家公務員の先輩はというと、相変わらず女っ気がなさそうである。
僕たちが小出しで話をだしても、全く会話が広がらないのである。
もう一つは、仕事の話。
僕や外資系の先輩は、割と向上心を持って仕事の話に熱を入れて話す。
対して、国家公務員の先輩は素っ気無い感じである。
口には出していないが、僕たちが仕事に前向きな姿勢を理解できないような表情を浮かべていた。
もちろんこの話題も盛り上がらないのだが、給料の件に関してはガンガン盛り上がった。
社会人になって大きく感じたことは、男の関心事はカネと女である。
恋愛工学研究所・所長、藤沢数希さんも仰っていた。
仕事と女の話で盛り上がらなければ、次会いたいとも思えない。
付き合う価値があるかどうかは明確な基準で判断できる。
昔のように、ただゲームで遊んでいれば満たされるような学生ではなくなったことを、確実に感じた再会であった。
明日も更新するから、待っててちょ。
Adios.