最近、Twitterのアカウント主に対して匿名で質問や労い、応援の言葉を投げつけるサービスが増えている。
タダでさえTwitterは匿名で活動できるのに、更に匿名でコンタクトをとるというまさに日本人好みのサービス仕様である。
それはさておき、最近以下のような質問をよく目にする。
質問タグ:大企業かベンチャー企業どちらがいいですか
内定を貰ったけど、新社会人になることをびびってる学生なのだろうか。
僕は大企業並みに古めかしい企業と、ガチガチのベンチャー企業で働いた経験がある。
ベンチャー企業で働くことにスポットを当てて語る。
ベンチャー企業で働くということ
ベンチャー企業で働くということはどういうことか?
オフィスカジュアルに身を包んで、木目調の調度に囲まれたオフィスでMacBookを叩くことではあるのかもしれない。
若くて可愛らしい女性社員も個性的な服装で出勤しており、暖かくも賑やかな雰囲気で仕事をする。
こんなイメージを持たれている方もいるかもしれないが、半分正解で半分間違い。
半分合っていると思った理由は、会社の外側から見た「ベンチャー企業」の印象としては合っているからだ。
半分合っていない理由は、ベンチャー企業で働くという本質が触れられていない点だ。
ベンチャー企業で働くということはいい意味でも悪い意味でも仕事を任せてもらえる。
何でもやらせてもらえるということの意味
僕は以前、創業まもなくもスーパーボスが役員についているベンチャー企業に就職した。
今から思うと、この出会いはカネには変えられないし、本当にいい転職ができたと思う。
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入社して初めてやった仕事は、天井の電灯の張替えである。
その次は、お客様のお茶出し。
必要物資のリストアップと注文など。
正直、ベンチャー企業の仕事はがっつりプログラミングをしたり、ゴリゴリプロジェクトを回すために仕事をするものだと思っていた。
仕事を終えた、いろいろと未熟な僕は開いた口が塞がらなかった。
すげえ地味じゃねえか。。
だが冷静に考えて文系出身で、文章もコードもろくに書けなかった僕である。
慢性的に人が足りていないベンチャー企業の中核を担うような仕事を、入社当初からやらせてもらえるわけないのだ。
もちろん、ありとあらゆる雑用をさせて頂く何でも屋(総務)としてひたすらに働いた。
命を擦り減らしながら仕事をする
僕が初めに配属されたプロジェクトは、同期と2人でクロージングするプロジェクト。
先輩方はあくまでもサポートをするだけ。
当時は、ウキウキとワクワクが止まらなかった。
結果的にこのプロジェクトは成功を収めたが、地獄絵図だった。
開発環境構築をするにしても、プログラミングではなくサーバやネットワークなどのインフラの知識が必要だった。
仕様検討から詳細を詰めるにしても、同期と僕と2人だけで客先に赴いて確認を取る。
やっとの思いで固めた仕様を元に開発しても、コードレビューで先輩に弾かれて仕事がぜんぜん進まない。
そんな毎日を過ごしていると、家はただの布団と化した。
終電をすぎることは当たり前だったから、確実に睡眠を取るために毎日酒を流し込んだ。
リリースする前には会社にも泊まった。
本当に命を削りながら仕事をこなしていたと思う。
プロジェクトが終わるか終わらないかの微妙なラインで走り続けて、本当にギリギリでプロジェクトを終えることができた。
結局このプロジェクトで、僕は残業を160時間した。
それでも、ベンチャー企業は楽しい
今はこんな荒れ狂う日々を過ごしているわけではないが、やはりあの狂気の日々は楽しかった。
仕事にフルコミットしていたし、あの経験が確実に今の自分に生きている。
- お客さんとの距離のとり方
- 可読性の高い資料の作り方
- 保守性の高いコードの書き方
どれをとっても、僕のキャリアの上で大切なスキルである。
今でもふと思うのだが、新卒で入社した会社では絶対にこの経験は積めなかっただろうと。
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この覚悟と狂気を求めたいと思う人は、ベンチャーに行くべきだと思う。
僕の会社はタイムカードがなく、基本的に残業パラダイスだった。
だからこそ、手が空いたときに先輩方と新しい技術について学を深めることができたし、働き方も自由であった。
昼ごはんの時間も自由で、ときには家で仕事をすることも許された。
ただ、すべてが自己責任である。
ランチタイムを長めに取ることも、遅めに出社することも、全ては仕事が終わって初めてやって良いことだ。
そのユルいところだけ見ていると、足元を掬われるかもしれない。
明日も更新するから、待っててちょ。
Adios.